今回は「1人治療院でも節税できる!」というテーマで、最近注目されているマイクロ法人の活用方法について解説します。
鍼灸や整体、マッサージなどを個人で営んでいる先生方にとって、節税対策は避けて通れないテーマですよね。
そんな中、「マイクロ法人を設立して節税する」という方法が静かに広まりつつあります。
◆ マイクロ法人とは?
「マイクロ法人」とは、1人または少人数で運営する小さな株式会社のこと。
法人といっても、従業員をたくさん雇うわけではなく、実質的には個人で回すための器として法人を持つイメージです。
治療院を「個人事業」として続けながら、同時に「法人」を持つことで、所得を分散させたり、経費として計上できる幅を広げることができます。
◆ マイクロ法人で節税できる主なポイント
① 給与所得控除を活用できる
個人事業主にはない「給与所得控除」を、法人から自分に役員報酬として支払うことで受けることができます。
例えば、年収300万円を個人事業主として全て所得にするのではなく、マイクロ法人から役員報酬として支給すれば、一定の控除を受けられ、所得税・住民税を圧縮できます。
② 退職金制度が使える
法人なら、自分に退職金を積み立てることが可能になります。
この退職金は支給時には大きな控除が使えるため、長期的に見て節税効果が非常に高いです。
個人事業主ではこの制度は使えません。
③ 所得分散ができる(配偶者などを役員にする)
配偶者を法人の役員として登記し、役員報酬を分配すれば、所得を家族で分散することが可能です。
結果的に、全体としての税負担を軽くできます。
④ 経費の幅が広がる
個人事業よりも法人のほうが経費として認められる範囲が広くなります。
たとえば以下のような支出が、法人なら経費にできるケースがあります:
- 自宅兼治療院の家賃や光熱費の按分
- 研修費、書籍費
- 法人名義の保険料
- 車両費や通信費
◆ 個人事業主と法人をどう使い分ける?
おすすめの方法は、以下のような二刀流運用です。
項目 | 個人事業 | マイクロ法人 |
---|---|---|
治療業務 | 主にこちらで行う | 補助的または管理業務など |
売上 | 主たる売上(治療費) | 管理費・顧問料などの名目で法人に一部移す |
経費 | 必要最小限 | 広範囲に経費計上 |
報酬 | 個人所得として | 役員報酬・退職金などで受け取る |
◆ 注意点とデメリット
マイクロ法人は節税効果が大きい一方で、以下のような注意点もあります。
- 設立費用(登録免許税などで約20万円程度)
- 毎年の法人維持費(税理士費用、決算書作成など)
- 社会保険の扱い(法人にすると加入義務が生じる)
- マイクロ法人の業務内容は個人事業主の業務と併用できない。 マイクロ法人の業務は個人事業主の業務とは別の業務を登記する必要があり。
節税だけを目的にすると、かえって手間やコストが増えることもあるため、慎重な検討が必要です。
◆ まとめ:こんな人にマイクロ法人はおすすめ!
✅ 売上が年間500万~1000万円以上
✅ 奥様など家族と協力して運営できる
✅ 将来の退職金や資産形成を視野に入れている
✅ 税理士と連携して節税戦略を立てたい
「うちはまだ早いかも…」と思った方も、将来的に法人化を視野に入れて準備をしておくことは大きなメリットになります。
個人治療院の経営も時代に合わせて最適化していく時代です。
ぜひ一度、税理士に相談しながらマイクロ法人という選択肢を検討してみてください。
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