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難病患者が信頼してくれる施術者になるには

難病患者が信頼してくれる施術者になるには

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― 初回カウンセリング・問診の極意 ―

当治療院では、アスリートの施術と並行して、難病・慢性疾患の方のサポートにも力を入れています。特に山元式新頭鍼療法(YNSA)や頭部の硬結除去といった特殊な技術を扱っていると、「もうどこに行っても治らない」と訴える方が、最後の希望として来院されることも少なくありません。

そんな患者さんが「ここなら信じられる」と思ってくれるかどうか?
それは初回のカウンセリング、問診で、ほぼ決まります。

今回は、私自身の経験をもとに、難病患者が信頼を寄せてくれる施術者になるため初回カウンセリングの極意をお伝えします。


1. 病名ではなく「語られていない苦しみ」を聴く

難病の方ほど、「病名」や「診断名」の背後に、他人に言えなかった苦しみがあります。

たとえば、

  • 「職場で迷惑をかけてしまっている」という罪悪感
  • 「家族に理解されない」といった孤独感
  • 「自分の人生が壊れていく」という恐怖感

これらは問診票には絶対に出てきません。
身体の不調ではなく、“心の置き場”がない人が多いのです。

だからこそ私は、カウンセリングの冒頭でこう言います:

「今日は“話せるだけ話してください”。治療はその後で十分ですから」

この一言で、多くの方が顔を緩めてくれます。


2. その人の“日常の物語”を聞き出す

難病になると、医療の中で“症例”として扱われがちです。
しかし患者さんは症例ではなく、「生活者」です。

  • どんな生活リズムで、
  • 何ができなくなり、
  • 何に困っていて、
  • 何ができるようになったらうれしいのか。

「それ、●●さんにとっては大事なことなんですね」と返すだけで、その人の“物語”に寄り添う施術者になります。

施術の専門性はもちろん大事ですが、まずは「私はあなたの側にいます。」という姿勢が信頼につながります。


3. 説明の前に「理解」される

東洋医学的な診方や特殊な鍼灸技術を扱うとき、つい丁寧に“説明”しようとしてしまいます。でも、先に必要なのは「説明」ではなく「理解」されることです。

「この先生は、私の話を真剣に聞いてくれる」
「ちゃんと、自分のことをわかってくれようとしている」

そう感じてもらえたあとで、

  • なぜYNSAを使うのか
  • どこに反応点があるのか
  • なぜここに鍼を打つのか

という“施術のロジック”が、はじめて腑に落ちてきます。


4. 「正直に伝える勇気」も信頼になる

難病の方は、無責任な希望を伝えることに傷ついてきた方もいます。

「良くなるかも」と簡単に言わない。
むしろ、「私にできること」「私にできないこと」を丁寧に分けて伝える。

たとえば私はこう伝えます・・・。

「すぐに治すことはできないかもしれませんが”変化を起こすこと”はできる可能性があります。  少なくとも私は、その変化に向けて全力を尽くします」

この言葉で、患者さんは「信じてもいいかもしれない」と感じてくれます。


5. 信頼される施術者は「結果」より「態度」で覚えられる

たとえ症状が直ぐに良くならなくても、信頼される治療家は、「この先生は私のことを本気で考えてくれた」  という印象を残します。

その積み重ねが、
・次回の予約
・ご家族からの紹介
・そして患者さん自身の“治ろうとする力”
を引き出すと、私は信じています。


まとめ:初回カウンセリングは“施術以上の治療”です

難病の方にとって、初回カウンセリングは
「身体を見せる前に、心を開けるかどうか」の勝負です。

  • 症状よりも“物語”を聴く
  • 説明よりも“理解されること”を大事にする
  • できること・できないことを誠実に伝える

この姿勢がある施術者には、自然と信頼が集まります。


治療院経営は大変な時代ですが、
「信頼されるカウンセリング」ができる先生は、
どんな地域でも、必ず選ばれ続けます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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